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爬虫類の頭蓋による分類

2024-11-21

Sayaka🦕 WB見学記 爬虫類

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今回から師匠のコレクション収蔵庫、通称『ホワイトベース(WB)』で観察した標本や新たに学んだことなどを記録として残すことにします。

第1回目のテーマは「爬虫類の頭蓋による分類」です。

今回の目的

側頭窓の数で単弓類や双弓類に分けられるというのはよく聞く話です。

しかし、側頭窓を取り囲む骨の位置関係を整理すると側頭窓の数で単純に分類することはできないらしいのです。
後眼窩骨と鱗状骨の関係に着目し、これを標本を手に取りながら確認。そして学ぶことが今回の主な目的です。

座学

爬虫類の頭蓋タイプは無弓類・単弓類・広弓類・双弓類があるということに始まり、さらにそこから細分化することが可能と学びました。

後眼窩骨と鱗状骨の位置関係は頭蓋のタイプ分けの際に重要な観察ポイントになるようです。

標本の観察

観察ポイントの確認が終わると、WBに収蔵されている標本を使っての観察に移ります。

ワニの頭蓋

ワニ　頭蓋
  ワニの一種　Crocodylus sp.

イリエワニとシャムワニの交雑種とのこと。
ハイブリットなので、「sp.」 としておきます。
上側頭窓が後眼窩骨と鱗状骨の上部で接しているのが確認できます。

カメの頭蓋

カメ　頭蓋　コブクビスッポン
  コブクビスッポン　Palea steindachneri

ん〜？
側頭窓どうなってるんだ？
頭蓋が陥没しているかのような、特殊な感じの見た目をしています。
これは後眼窩骨と鱗状骨が分離しているという単弓類型のタイプだそうです。

他にはインプレッサムツアシガメ、エロンガータリクガメ、タイリクミナミイシガメ、キアシガメなどなど。
今回はカメの観察が中心でした。


カメ　頭蓋　インプレッサムツアシガメ
  インプレッサムツアシガメ　Manouria impressa

カメ　頭蓋　エロンガータリクガメ
  エロンガータリクガメ　Indotestudo elongata

カメ　頭蓋　タイリクミナミイシガメ
  タイリクミナミイシガメ　Mauremys mutica mutica

カメ　頭蓋　キアシガメ
  キアシガメ　Geochelone denticulata

次は師匠も開けたことのない謎の箱に手をかけます。
謎の箱は厳重に包まれています。

箱
  厳重に包まれた謎の箱

「まるでツタンカーメンみたい。気分はハワード・カーターですね」

「それを言うならロイチャップマン・アンドリュースにしません？笑」

そんなやり取りを弟子同士で挟みつつ開けてみると…
アカウミガメの頭蓋がお出まし。

カメ　頭蓋　アカウミガメ
  アカウミガメ　Caretta caretta

ダンボールの中には下顎もありましたが、バラバラになってしまいそうだったので今回はそのままで。
上顎のみ観察します。

この標本では鱗状骨が確認できませんが、師匠から資料をいただいていたので対応する骨のつながりを想像することができました。

そんなこんなでカメばかりに気を取られているとあたりが暗くなってきました。
WBは明かりがないので持参したライトが役に立ちます。

ここらで別の標本も観ておきましょう。

ムカシトカゲの頭蓋

ムカシトカゲ　頭蓋
  ムカシトカゲ　Sphenodon punctatus

ムカシトカゲは頭蓋の大きさのわりには側頭窓がかなり大きく見えます。

コモドオオトカゲの頭蓋

コモドオオトカゲ　頭蓋
  コモドオオトカゲ　Varanus komodoensis

写真の上に写っている標本がコモドオオトカゲ、右下の標本はムカシトカゲです。
これはまた変わった印象を受けます。
「側頭窓＝穴」という認識でいると、その数だけで分類を試みるのは難しいような気がしますね。
〜弓類と「弓」の字がつくように、アーチ状の構造で観ていく必要があることを実感します。

パンサーカメレオンの頭蓋

パンサーカメレオン　頭蓋
  パンサーカメレオン　 Furcifer pardalis

個人的にかなり気になる存在になったかもしれないカメレオンです。
先程、穴の数がどうとか書いておきながらめちゃくちゃ穴が開いてるんですよ。
角竜類に観られるフリルを思わせるような見た目をしていて、鼻先も独特な様相を呈しています。

ガブーンバイパーの頭蓋

ガブーンバイパー　頭蓋
  ガブーンバイパー　Bitis gabonica

名前を初めて聞いたヘビです。
毒牙がひときわ大きな存在感を放つこの標本は毒牙から前上顎骨を辿っていくとかなり面白い。
頭蓋全体で見てもかなり前方で上顎骨が完結しているらしいのです。
その他の歯が生えている位置をヒトに置き換えて考えてみたりもして。
なかなか奇妙です。

ガブーンバイパーに関しては側頭窓どうこうというよりも頭蓋そのものが興味深いポイントだらけでした。

まとめ

今回は爬虫類の頭蓋を観てきました。
後眼窩骨と鱗状骨に着目しての観察をすると、特殊化した双弓類がいることに気がつくのと同時に、側頭窓の数だけでの分類には限界があることがわかりました。

骨の位置関係にこれだけの違いがあるとは…

WB見学記、第1回目は以上で終わりたいと思います。


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