伊藤師匠といえば骨。
WBにある標本の大半は脊椎動物です。
今回はそんな環境の収蔵庫からあえて無脊椎動物を引っ張り出して紹介してみようというちょっと変わった趣向の記事です。
ある意味これこそが『WB化石生物研究会』でしか観られない珠玉のコレクションかもしれません。
【軟体動物編】をぜひご堪能ください。
アンモライト
ペンダントトップのような小さくて薄いものではありません。
こんなにもゴロッとしたものを手にとって間近で観たり写真を撮ったりというのはなかなか無いことです。
重量もあって扱いに緊張が走ります。
こちらのアンモライトは師匠の覚え書きも同封されていました。
ツーソンでカナダフォッシルのピエールさんより2010年に入手したものだそうです。
アンモナイト類
学名未検証標本を含むのでアンモナイト類としておきます。
アンモナイト類はハーフカットがいくつかあり、コプロライトもコレクションに入っていました。
コプロライトは2022年の第31回東京ミネラルショーで入手したという覚え書きが同封されていました。
オパール化ベレムナイト
時代は白亜紀。オーストラリア産のオパール化ベレムナイトで2017年にツーソンで入手したことを示す覚え書きが同封されていました。
母岩付きというのが良いですね。
プラティケラス
パッと見ではアンモナイトかと思いましたが違うようですね。
腹足類の仲間らしい。
時代はシルル紀だそうです。
ブログを書きながら過去の写真を見返していたら群馬県立自然史博物館にも展示があったので合わせて載せておきます。
アメリカオオアカイカ
これはこの日観た師匠のコレクションの中でもかなり衝撃的でした。
スルメイカのカラストンビと並べてみるとその大きさは一目瞭然。
手に持ってみたり後ろから撮ってみたりもしました。
力の入れ具合によっては簡単に崩れてしまいそうな危うさもありましたが、WBに来なければ知り得なかったことをたくさん感じ取れたような気がします。
2010年ジョージさんからのプレゼントとのこと。
イカの吸盤
初見ではトラバサミのような印象をもったこちらの標本。
正体はイカの吸盤でした。
「タコは吸い付くように吸盤を使い、イカはこのギザギザの部分で噛みつくような使い方をする」
頭足類と一口に言っても面白いほどに違いがあってとても興味深く思いました。
メンダコの封入標本
私が初めてWBを訪れたときにも観ましたが、今回改めて観ることができました。
どうやったらこんなにも綺麗に封入できるのか。
謎の多い標本です。
師匠が手に入れたときから封が切られていません。(2015年入手、ヤフオク)
「封は開けないでくれ」とのことなので撮影は封の上から撮影しました。
これもかなり貴重です。
まとめ
今回の記事は伊藤師匠の無脊椎動物コレクションから軟体動物をいくつか観てきました。
爬虫類・鳥類・哺乳類をはじめ、堂々たる「T」のつく神様までもが鎮座するWB。
脊椎動物の標本たちだけではなく、無脊椎動物の標本たちも面白い「知」を与えてくれるというのが弟子としてとてもありがたい学びの場になっています。
ここまで書いてきましたが、実のところ無脊椎動物の標本箱はWBにまだあります。
“骨の伊藤”師匠のせっかくの無脊椎動物コレクションなので機会があればどんどん引っ張り出して紹介していければと思います。
【軟体動物編】は以上で終わります。
『「骨の伊藤」の骨の無い動物コレクション』という ひねくれまくった着眼点!
返信削除「アンモライト」:あることの御礼として当時のカナダフォッシル社の社長だったピエール氏からいただいた物。全ての色が見えるのは貴重。
「アンモナイト類」:カット研磨標本はマダガスカル産。コプロライトはドイツ、ゾルンホーフェン産で魚の糞化石として売られていた。
「オパール化ベレムナイト」:疑惑の標本。研磨した標本をそれっぽく母岩に埋まってる風にしてあるのだと思っている。
「プラティケラス」:原始的な軟体動物の標本として購入した。まだ勉強不足で何も言及できない。
「アメリカオオアカイカ」:トゲトゲの吸盤(角質リング)もこのアメリカオオアカイカのもの。
「メンダコの封入標本」:どうしても入手しておきたかった標本。
今回は「軟体動物編」。あれ?オウムガイ標本が無かったな。
オウムガイ…今回は紹介できなかったのでまたの機会にでも。
削除もしくは他の弟子が載せてくれるのを期待しましょう(^^)