WBってどんなところ? 長編かさね感想編

2025-01-05

Kasane WB見学記

t f B! P L

 WBは千葉県立中央博物館近辺某所にあるお宝の詰まった一室である。
今回は「長編かさね感想編」として初訪問で思ったあれこれを綴っていく。

初訪問、WBの印象

冬晴れの青空に白が映えてまぶしさすら感じるのは初訪問の喜びからくるものであろうか。

内部は所狭しと積み上げられた標本や資料の数々。
これらの中身は常に必要に応じて取り出されアカデミーなど教育に活用されている。

画像は比較的中身のわかりやすい一角の一部を撮影した物だ。

山積みになった段ボール。各段ボールに標本が入っている。

少なくともこの5倍は様々な物がひしめき合っていた。

物量に気圧されてしまい、元来の私ならば片っ端からチラと見るだけでもいい!と次々開封しているところであろう。

しかし記録にしてみると思ったほど掘り返していなかったようである。


以下、主に拝見してきた標本と資料たちを紹介する。

トリケラトプス実物化石

手始めにWB訪問前に学習したトリケラトプスの実物化石。

私もミネラルショーにて購入したがパッと見は全く別の化石のように見える。

何事も通り一遍ではない知識が無いと同じか違うかもわからないという事がよくわかる。

色や手触りは埋まっていた地層からの影響だろうか。

トリケラトプスの歯の化石。
トリケラトプスの歯

トリケラトプスの歯の化石。独特の手触りをしている。
トリケラトプスの歯

まだ経験が浅く今後覆るかもしれないが、実物化石は以外な程軽い手触りといい磨かれた胡桃の殻のような手触りである。

トリケラトプス歯のレプリカ

トリケラトプスの歯群のレプリカ
トリケラトプス歯群のレプリカ

カーブを描きながら菱形のタイルのように隙間無く並んでいる様子を手に取れるのはレプリカならでは。

特にこすれ合う面についた横の段差に注目したい。

後のビーバー頭骨標本の歯の部分と見比べて思うことがあった。

 ビーバー頭蓋標本

ビーバーの頭蓋標本。ツーソンミネラルショーで入手。
ビーバー頭蓋標本

標本特有の香りも新しい篩骨の重なり合ったレースのような部分がしっかり残っている丁寧な作り。

齧歯類らしい明るいオレンジのチャームポイント。

前歯は一生伸び続けてかじることで徐々に削られていくのは有名である。

「削られる」と一言に言っても「どのように」削られているのだろうか?

私は少し想像してそのまま疑問を持たず知った気になっていたのがわかった。

エナメル質と象牙質

ビーバーの歯の拡大。段差があり、削れていることがわかる。
ビーバーの歯

扁平なかまぼこ状のエナメル質も全く削れないわけでは無い。

薄くなっていった部分が欠けるようにして無くなっていく。
(自身の指先の爪が弱って欠ける時と似ていて痛そうに見える)

象牙質はエナメル質の裏側に盛り付けられ、全体として緩やかな三角の断面の形になっている。

この象牙質の部分の削られ方が想像以上に荒かった。

これまで摂食によって歯が削れると聞き想像していたのは砥石と刃物がこすれるような、

墨と硯(すずり)がこすれるような様を想像していた。

触れてみるとかなりの段差がありいかにも頻用されていた溝があったと想像される部分がある。

痛そう。

生きることは食べること。(それに伴い排泄も重要な要素であるのだが)

植物食という部分しか共通点は無いが実物に触れることで新しく感じられる内容があった。

コモドドラゴン頭蓋レプリカ

コモドドラゴンの頭蓋レプリカ。
コモドドラゴン頭蓋レプリカ

ボーンクローンズ製で安心して触れられる。

大切な物ではあるが実物の骨のような頼りなさが無い。

これに関してはてっさん・Sayakaさんのようなより造詣の深い方にお任せしようと思う。

レプリカの歯の付け根が着色されているのは何か見やすくするためなのか?それともビーバーのように元々色がついていたのか?

写真を見ても歯肉の中に隠れる部分のためわからなかった。

ファブロサウルスの歯

鳥盤類の植物食恐竜、ファブロサウルスの歯の化石。
ファブロサウルスの歯化石

もしちゃんとファブロサウルスの歯だとしたら日本語サイトであれば群馬県立自然史博物館以外にネットに無い重要な画像になるかも?

群馬県立自然史博物館 収蔵資料データベース

バンビラプトルの歯・末節骨のレプリカ

バンビラプトルの歯と末節骨のレプリカ
バンビラプトルの歯・末節骨のレプリカ

バンビラプトルの発見・記載者からゆずってもらったレプリカ。

バンビ イタリア語のbambino「子供」という意味で、「シカ」という意味は含まれていない。ディズニーのアニメのイメージとはかけ離れる事になる。

大きさを示すだけなので坊ちゃんと言ってしまうとまた別な誤解を招いてしまいそう。

別に無鉄砲だったり損ばかりしていたりするわけではないだろう。

トリケラトプスのような特徴を示す簡潔な学名にありがたさを感じる。

メンダコの樹脂封入標本 

田崎物産 深海調査事業 深海倶楽部 製作。

素晴らしい標本だったのにしっかりした撮影をせずに終わってしまった 後悔している。

販売はしていない様だがサイトが残っており大いに興味をそそられる内容がある。

Sayakaさんの記事に画像があるため是非読んでほしい。

軟体動物で観る”骨の伊藤”コレクション

見た物は妥協せず撮影することを次回の課題としたい。

 シェルオパール

個人的に次の購入を目論んでいる物であるため参考に拝見した。

 アンモライト

美しい!しかしうまく撮影できない!!

次回再チャレンジまたは池袋ミネラルショーでの購入を目指す!

国立科学博物館のスミソニアン展が開催されたときの図録

スミソニアン展の図録。始祖鳥のページが見開きになっている。
スミソニアン展の図録(国立科学博物館)

スミソニアン展の図録。左ページはキリン、右ページには肉食恐竜のカギヅメが紹介されている。
スミソニアン展の図録(国立科学博物館)

内容は言わずもがな。
レイアウトが美しく眺めるだけでも心に響く。

まとめ。心にうつりゆく由無し事

この記事を書いて気になったのがビーバーの歯の色はなに由来なのか?

といったことである。

ネット検索では「エナメル質に含まれる鉄と植物に含まれるタンニンが反応してあの鮮やかなオレンジを呈色する」と示されている。

ならばなぜタンニンと接触していない頭蓋内部の門歯まで着色されているのか?

なぜ門歯先端の色が最も濃いなど色にムラが無いのか?

なんだか疑わしく感じる。

もしかしたら途中の理由がわかっていないから私が納得できていないだけかもしれない。

私にとって初めて本当かな?と疑ってみる経験になった。

気になる、調べる、考える の流れを生むために文章を書くのはとても大きな学びになっていると実感できた。

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