【鳥展】我らが鳥類、命ある果てない美学。

2024-11-27

春泥 鳥類 特別展

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ᓱᓕᔪᖅ さんが少し触れていました科博の鳥展について、あらましですがレポートと感想を述べたいと思います。

何故いま鳥なのか?

それは私が偉大なる鳥達を愛してやまないからです。

皆様ご存知の通り、洋の東西を問わず今も昔も人類は鳥を愛して生きています。
ですから鳥は神話の中で崇められ、時には死者の魂を託され、歌に詠まれ、絵にされ、縁起物のモチーフとなり、愛する家族として手元に置かれ、果ては抜けた羽に至るまで愛し尽くされて来ました。

当然、読者の皆様方も人類であるならば鳥を愛しておられることと存じます。当然ですね。

では目次を挟んで本題に入ります。

私が感じた裏テーマ「保全」


副題「ゲノム解析が解き明かす新しい鳥類の系統」とあるように、メインテーマは鳥類の系統です。
しかし裏のテーマとして生物(鳥類に限らない)の保全があるように感じました。
最も印象に残る最初と最後の展示で、鳥類の保全について詳しく取り上げられていたことが理由です。
feature:1 絶滅

科博ではこれまで、絶滅危惧種や保全について腰を据えて言及されることは少なかったように思います。

人によっては「説教臭い」と嫌がることもある展示です。

しかし個人的にはよくぞ言ってくれました、という気持ちしかありません。
わたしは大歓迎です。

攻めた話題、「絶滅」


展示の最初の話題は「絶滅」。
キタタキ、トキ、コウノトリ、ヤンバルクイナやライチョウが展示されています。

キタタキ

トキ

コウノトリ 標本
コウノトリ

ヤンバルクイナ

ライチョウ

絶滅危惧種は遺伝子の多様性が少ないものです。
特にトキやコウノトリは一度は国内で野生絶滅したものを再導入して増やしているところで、遺伝子の多様性にたいして懸念があります。

人類としては重い責任を感じますね。

鳥類の起源と初期進化

羽毛の展示
羽毛

次に鳥類の起源と初期進化です。
鳥類と恐竜の関係についてはご存知の方も多いでしょう。
鳥と恐竜は共通点が多いです。

鳥展でも羽毛や脳のエンドキャスト(脳は保存するのが難しいですが、残った空洞の形を復元したものを言います。間接的に脳の形を知ることが出来ます。)、化石の骨格標本など色々な展示がありました。

今回はその中で気嚢を取り上げることにします。

呼吸器官「気嚢」のメリット

呼吸器官を紹介したパネル
気嚢の呼吸システム

気嚢というのは肺から袋状に突出した呼吸器官の一部です。
気嚢の使い方については動画などがあれば分かりやすいのですが、今回の展示にはありませんでした。
ご興味がある方は千葉県の我孫子市鳥の博物館に行ってみてください、詳しい説明があります。

気嚢のメリットとして

・肺の中を常に酸素の豊富な空気が流れるという効率的な呼吸が出来る
・骨格の中に入り込んで空洞化することで軽くなれる

があげられます。

どちらも優雅な鳥ならではの工夫のように見え、非常に羨ましいですね。
しかし気嚢は鳥になる前の、少なくとも獣脚類のケラトサウルス類(ceratosauridaeという意味ではなくではなくceratosauriaという意味です、念の為。 )では既に獲得されていたと推定されています。

多様性サークル、新しい系統と分類

系統展示 隣り合ったスズメ目とインコ目
スズメ目とインコ目

次に新しい系統と分類についての展示がありました。

ゲノム解析でハヤブサがタカ類よりもインコ類に近くなったという話も、10年近く前のニュースですが鳥展をきっかけに再注目されていますね。

しかしインコ目はスズメ目と姉妹群。
ハヤブサ目が近縁になったのはインコとスズメ、両方だということは念の為に言い添えておきたいです。

Oh my love… 名指しされた愛しのインコ


そのどちらでも良い中で、わざわざインコが名指しされたのはきっと尋常ならざる愛くるしさのせいでしょう。
いやはやいやはや、鳥類は基盤的に可愛い。しかしインコはより派生的な可愛さがあるのです。
インコを愛し、インコに狂ってしまった人々は少なくありません。

かく言う私もその一人でございます。ああ!インコは可愛い!非常に可愛い!人を狂わせる魅力があります!

特に①脇の下、②お口の中、③あんよの裏はインコの三大可愛さと私から呼ばれています。
これは皆様方からも大いにご納得いただける事でしょう。

シュバシサトウチョウ

ヨウム

ゲノム解析で思った疑問


そしてゲノム解析に関連して、ひとつ疑問に思った事があります。

ゲノム解析が行われる前は形態分類が主流でした。
しかしゲノム解析以降、本当に形態分類に見落としはなかったか?本当は頑張ったら形態分類出来てたんじゃないか?という疑問が残ります。

実際、ハヤブサとワシ・タカの形態分類を再度試みた研究はあります。



しかしこの研究は目レベルではなくハヤブサという種に限定した研究のようです。
実際に標本を観察したところ、ハヤブサとワシ・タカの形態分類は私には出来ませんでした。
だってどちらも素晴らしい気高さを持ち、優美でいながら凛々しくもあり、まさに美の化身、神々が地上に託した希望の星なのですから…わたくしめのような地を這い蠢く生き物がどうこう言えるものではございません。

どなたか他に同様の研究を知っておられる方がいたら、ぜひコメントでご教授ください。

まとめ


長くなってしまいました。
科博の鳥展は非常に愛くるしく素晴らしく、そして興味深いです。
また何回か行こうと思いました。
大哺乳類展のようにシリーズ化してもらいたいですね!
また、素晴らしい鳥たちを見せてくださった科博に感謝です。
それでは!




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