ヴェロキラプトルの頭蓋化石レプリカのスケッチをしました

2025-03-28

恐竜 鈴木巌青

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かなり前から師匠にお借りしているヴェロキラプトルの頭蓋化石レプリカのスケッチをしました。

師匠から借りているヴェロキラプトルの頭蓋化石レプリカ
師匠からお借りしているヴェロキラプトルの頭蓋化石レプリカ
  
実はこのレプリカはリペイントする予定なのですが、その前の状態を描いておこうと思い立って急遽スケッチする形になりました。

リペイントは完成したらまた今度記事にしようと思います(その前にスタンのデッサンの記事を書かなければですが!)。

あたりを描く

横幅を決め、おおまかな輪郭を描きます。目立つ形の変わり目の比率や凹凸同士の角度などをある程度合わせます。

目立つところから細かくあたりをつける


眼窩や上顎と下顎の境目などの位置を決めていきます。この時どこが1番出っ張っているか・引っ込んでいるかなども確認しながら強弱をつけていきます。

おおまかな凹みや影の形を合わせる

全体の見える印象を合わせて形や比率の狂いを見つけます。この時に比率や角度などはほぼ完璧に合わせておきます。

描き込んでいく

大きな面の変わり目(稜線)やそれに準じた面に影を入れた後、凹凸を描写していきます。1番出っ張っているところに対してどこがどのくらい凹んでいるか(奥行きがあるか)を理解しながら質感や影の濃さを調節して入れていきます。

完成

さらに歯などの細かい凹凸を描き終えた後、全体の立体感を整えたり、変に暗いところ・明るいところがないか確認して完成です。

スケッチをしての感想
やはり恐竜の頭蓋を描くのは今までやってきた石膏デッサンや静物デッサンとは違った難しさがあるなと感じました。

自分が恐竜の化石をスケッチするのは、形態や構造を理解する意味も兼ねています。それこそ化石を触るような感覚です。そうしないと今は存在しない生き物を生き物として描けないと自分は思います。これからも色々な化石をスケッチしていきたいと思っています。

次回、巌青からはスタンのデッサンの記事を載せようと思いますのでよろしくお願いします!

【コラム】スケッチ?デッサン?

先ほどまで記事内で使っていた『スケッチ』と『デッサン』という言葉。どっちも同じでは?違いって何?と思った方も多いのではありませんか?実はこれ以外にも『クロッキー』や『ドローイング』など似たような言葉が有ります。


・デッサン【仏】…素描

・スケッチ【英】…写生、素描

・クロッキー【仏】…速写、素描

・ドローイング【英】…線を引く、素描


ざっくり調べるとこのような感じです。

全部素描じゃねーか!となりますよね。余計にややこしくなってきたところで、それぞれの違いを解説していきます。



デッサン〔dessin〕【仏】 

広義では素描全般(スケッチ・クロッキー・ドローイング)をまとめてデッサンと言います。

ですが、我々美術をやっている人間からすると「時間をかけてリアルに描く素描」をデッサンということが多いです。


スケッチ〔sketch〕【英】

これもデッサンと近い意味合いなのですが、デッサンと比べると「ラフな感じで描いた素描」や「メモ的に描きとめた素描」に近いニュアンスで使う人が多いです。

自分もそのニュアンスで使っています。


クロッキー〔croquis〕【仏】

これだけは明確な違いがあり、速写と言われるように「短い時間でおおまかな形や動きをとらえた素描」という意味があります。基本的に15分以下で描いたものです。形の正確さよりも主に動的で有機的な線を使い、短時間でモチーフの「らしさ」を写す力を鍛えるためにするものです。

自分は慣れてくると1分以下で描いたりします。


ドローイング〔drawing〕【英】

人によって解釈が変わるものNo.1です。スケッチと似ていますが「作家の感じたものや感性を前面に出した素描」に近いニュアンスで使う人が多いです

自分はたまにスケッチに限りなく近いニュアンスで使ってしまうこともあります。


もしも生活の中でこれらの用語が出てきたら、この記事で見たな〜と思い出してみてください。

以上、巌青の美術コラムでした。

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