スタンのデッサン

2025-07-31

恐竜 鈴木巌青

t f B! P L


時を遡ること2024年10月。ふと「ティランノサウルスの頭蓋をちゃんとデッサンしたい」と思い、師匠に相談しTCA東京ECO動物海洋専門学校第3校舎のスタンの頭蓋レプリカをデッサンさせていただけることとなりました。

デッサン用具

いつも自分が使っているのはこちらです。


上から

・ティッシュ

・糸を通した5円玉(垂直を見る)

・練り消し

・ユニ、ステッドラーの鉛筆(3B〜3H、一部です)

・カッター

・擦筆(さっぴつ。細かいところを擦る)

・ペン型消しゴム

・羽箒


藝大受験の時から使っている相棒です。

本当はデスケル(デッサンスケール。構図を決めたり物を測るときに使う)と測り棒も使うのですが、持っていると思っていたら捨てたらしく手元に無いため使わずにデッサンすることに…(アホ)。


デッサン開始

集合は現地(専門学校)に朝10時。大荷物の中通勤快速でもみくちゃにされ、げっそりして専門学校の近くのファミレスで朝食をとっていたら師匠と遭遇。食べながら色々話してから現地へ。先生方に挨拶をしてデッサンのセッティング。

こんな感じで描きます。周りに貴重な物があるのでイーゼルが倒れたり汚さないように注意をしながら描きます。

今回スタンのデッサンをするにあたって、骨自体の茶色は反映せず、白い色であると仮定して描くことにしました。また、背景も白い空間として描きます。なぜそうするかというと、そうした方が奥行きや凹凸・質感が見やすいのです。




描き始めて30分くらい。か、形が合わない…!!!絶望的に合わない!!!

ここからが地獄の始まりだった…。


1日目の作業


約50分時点。なんとかガイド線を引いたりなんだりしながら形を合わせていく(でも合っていない)。



約100分時点。埒が開かないので側頭窓などの穴の位置も描きながら合わせていくことに(内心焦り始める)。




約180分時点。下顎を描き終わらずに午前が終了。我ながら手際が悪いですね。デッサンでは常に全体的に同じクオリティで進める方が効率が良いのでこれはよろしくないです。

昼食をとり、師匠の授業に参加させていただいたり、デッサンの方は形を直しつつ影を入れたり少し細かく描きながら1日目が終了。




1日目終了時点(約390分)。
終わった感想としては終了時に全体をまとめられなかったのと大きな立体感・空間が出せなかったのが痛いです。

2日目の作業

またもみくちゃにされながら登校です。



下顎の陰影をつけつつ、細部を進めていきます。この時、側頭窓や眼窩などの暗さを決めきれていなかったため、色の幅が出しきれず苦戦することに…。

それがきっかけで二日間で終わらせようとしていたデッサンが終わりませんでした。先生方に無理を言ってもう1日描かせていただくことになりました。



2日目終了時点(約800分)


3日目の作業

ここからはなるべく早く描いていないところや完成して見えないところを無くしていきます。




歯や下顎を進めていきます。描きながら暗さを足して上顎の上面の明るさや立体感を際立たせます。




大体全部に手が回りました。ここからまとめていく作業です。余計な明るさや暗さ、足りない暗さや明るさを調節していきます。




完成したのがこちらです(開始から約1200分)。難しかった…ティランノサウルスは頭部の幅が広いのでその奥行きと張り出しを出すのが大変でした。それとは逆に下顎の歯骨あたりが思ったより立体感がなく、のっぺりとして見えてしまうのが難しかったです。


最後に

今回のデッサンは自分の中では75点くらいでしょうか。もう少し立体感や空間を出せたのではないかなあと思います。ですがスタンをじっくり観察して描いてみて頭部の厚みや構造の解像度が上がり、とても勉強になった一枚だと感じました。

この貴重な機会を作ってくださった師匠とTCA 東京ECO海洋専門学校の先生方、ありがとうございました。


おまけ



スタンを描くにあたって奥行きや構造がわからなくなった時におこなったスケッチ。

一方向から見ただけではわからないことが多いので必ずいろいろな方向から見て観察します。

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